EURO BASKETBALL ACADEMY トーステン ロイブル氏による「ディフェンスファンダメンタル」
トーステン氏とERUTLUCとの出会いは2003年にさかのぼる。当時、筑波大学でトーステン氏がクリニックを担当しており、それを鈴木代表が見学に行ったのがきかっけだ。それ以降、選手達のやる気を引き出すコーチング、スキルとアビリティの両面から選手の能力を引き出すコーチング、論理的で効果的なドリル設定や戦術、あらゆる面でハイレベルなそのコーチング力に我々は魅了され、多くを学んできた。
これまで、このJUNIOR BASKETBALL SUMMITでは何度となくトーステン氏に登壇していただき、その最先端の理論と実践をご披露いただいてきた。
今回のテーマは「ディフェンス」。
いまジュニア期の指導現場でもっともホットな話題となっている「ゾーン禁止」について触れつつ、マンツーマンディフェンスの指導法について、熱いクリニックが展開された。
――指導のねらい、目的をお聞かせください。
「諸外国と比較をして、日本はDEFが課題に挙げられることが多く、マンツーマンDEFの基本的な能力向上は急務です。 そのような背景もあり、2016年度から15歳以下の競技者を対象にゾーンDEFが禁止となることが決定しました。大切なことは、マンツーマンDEFの定義を理解し、どのようなDEFをしたらだめなのかということを抑えることです。 そのため、今回のクリニックの目的は、DEF力の向上とともに、マンツーマンDEFの定義を理解することです。 」
■各練習のポイントについて
①DEFスタンスの確認
・スタンスを肩幅より少し広めにとる
・両足のつま先がまっすぐ同じ方向に向く
・膝とつま先が同じ方向を向く
・頭の位置を体の左右中心におく
・頭を膝の位置の直線上に
②サイドムーブ(ステップ・ステップ)
相手が左右どちらかに出すバウンドパスに反応をし、ステップ・ステップで追いついて、身体の正面でキャッチする。慣れてきたら2歩動く長めのパスや、両手ドリブルから始めるなど、バリエーションを増やすと良い。
※ステップステップについて
DEFの足の運びは、スライドステップが一般的であるが、
ステップ・ステップは、足をし素早く動かすことができるので、
より早く移動をすることができる。
・上半身のブレを少なくするため、頭は動かさない
・挙げた手はワイパーのように動かす(パスのケア)
・常に同じ長さのスタンスになるようにステップを行う
・進行方向側の足からステップを行う
③クローズアウト
OFFとの距離が離れているときに、シュートを打たれないようにOFFに近づくスキルのことをクローズアウトという。
そのようなシチュエーションは、DEFにとって最も抜かれやすい状況であるが、OFFを苦しめるために少しでも多くのドリブルをつかせること、更にはゴールから遠ざけるベースラインドライブに行かせる(最高のシナリオはコーナーに追い込む)ことがDEFの目的となる。
ゾーン禁止のルールが適用をされると、DEFはワンアームの距離でOFFを守ることが求められるため、今後このスキルは特に大切なものとなってくる。
・内側の肩が自分の鼻の位置にくるようにする(OFFを内側に行かせないため)
・ウィングポジションの場合、つま先とつま先を結んだラインがコーナーを指す
・クローズアウトの瞬間に重心は後ろに(バランスを保つため)
・手と足は引かない(OFFにゴールまでのコースを簡単に取られない)
・ディフェンスが止まった瞬間はプレッシャーをかける(スティック)
・相手にプレッシャーをかける上で声も一つの手段である
④NBAプロテクション(ONボールDEF)
・DEFは足を引かず、DEFにコースを与えない
・スピードがない状態でOFFを捕まえることが大切
・DEFの方向チェンジは肘を下げる
⑤2ON2+2ディフェンス
ボールの位置に応じてDEFのポジショニングを変える(ポジショニング)ディナイ
・ボールサイドカットに備え、ボールマンとマークマンを結ぶ三角形は極力浅いものにする
・パサーの肩が動いた瞬間がポジションチェンジのタイミング
・パスレーンに手をいれることで容易に相手にボールを持たせない
・常にパッサーが見れるようにすること
感想
足立拓哉